「子供の浴衣を買ってみたけれど、大きすぎた!」とか、「去年の浴衣がもう小っちゃくなっちゃった!」ということってよくありますよね。でも大丈夫!子供の浴衣はサイズを調節しながら着せるものですので、そういう時にはちょこっと直してあげればちゃんと着られます。
この記事では子供用浴衣の袖の長さを直す方法をご紹介します。
子供の浴衣の袖の長さを直すには?
着せやすくて手軽な甚平もいいですが、帯をひらひらさせながらはしゃぐ浴衣姿は、女の子だけでなく男の子も本当にかわいらしいですよね!
うちの息子も、小さい頃は毎年夏になると花火やお祭りや幼稚園の夕涼み会など、ひと夏に何度も浴衣を着せていました☆自分で生地を買ってきて縫ってあげたので、できるだけ長く着てもらいたくてかなり大きめに作ってしまいましたが、もちろんちゃんと着られましたよ♪子供の浴衣や着物は元々、「大きく作って長く着せる」ようになっているんですね。ですからもちろん、裾はズルズル引きずってしまいますし、肩は落ちて袖口から手が見えないくらいブカブカなのが当たり前なのです。
袖を直すとき、洋服なら袖の途中をつまんだり、袖口を折り曲げたりしますよね。子供の浴衣や着物の場合は、袖ではなく肩をつまんで縫います。これを「肩上げ」と言います。
子供の成長にしたがい肩あげの幅を変えることによって、長く着せられるというわけなんです。
裾の直し方については「子供浴衣の裾直し!腰上げの簡単な縫い方☆腰上げなしで着せるのは?」を見てくださいね☆
子供の浴衣の肩上げの簡単な縫い方
1.まず、どのくらい肩上げが必要なのか測りましょう。
お子さんに片腕を横にまっすぐ伸ばしてもらい、首の中心から手のくるぶしまでの長さをまっすぐ測ります。メジャーで測るといいのですが、なければ伸びないひも(ビニールひもなど)でも構いません。その長さを浴衣の背中心(背中の縫い目)から袖口に向かって真っすぐ当て、その差が「肩上げ分」になります。ひもで測った場合、浴衣との差は定規を当てて測りましょう。
2.肩上げする位置と幅を決めましょう。
肩あげをする位置は「背中心と袖付け位置の間のちょうど真ん中」です。この位置が折り山になるように肩上げ分をつまみ、縫う位置(たとえば肩上げ分が6センチなら、折り山から3センチのところ)に待ち針を留めます。
前身頃も後ろ身頃も、肩上げを縫うのは身八つ口(脇の開いた部分)の上端(=袖付け止まり)と同じ高さまでです。
後ろ身頃は、先ほど待ち針を打った位置から肩山までまっすぐ上に、身八つ口の上端の高さまでまっすぐ下に、同じ幅になるようにつまんで、縫い代が分かるように待ち針で留めておきます。
前身ごろは、最後、袖付け止まりの高さで幅が1センチくらい細くなるように、肩山から緩やかな斜めになるように待ち針で留めていきます。
3.肩上げを縫っていきましょう。
待ち針で留めた縫い代を、「二目落とし」という縫い方で縫っていきます。
肩あげは袖側に倒すので、縫い目の表が衿側になるように気を付けましょう。
「二目落としが面倒だなぁ……」という場合には、目立たない色の糸で普通のなみ縫いにしてもいいですよ。
同じやり方で、もう片方の肩あげもしましょう!同じ幅でOKです。
※袖を長く直したいときは糸をほどいてアイロンがけして伸ばしてから、上記の方法で直しましょう。買った浴衣に肩上げがされていた場合、ミシン縫いのこともありますよね。ミシン縫いの肩あげの幅をほどいて直すのはちょっと面倒ですが、浴衣に穴をあけないように気を付けながらリッパーなどで縫い目をほどき、アイロンがけしてから同じように手縫いで直しましょう。
※反対に、すでに肩上げがされている浴衣の袖をもっと短く直したい場合は簡単です。短くしたい長さの半分(たとえば、3センチ短くしたいときは1.5センチ)、肩あげの内側を縫えばOKです。縫い目が二本になりますが、ほとんど目立たないと思います。もう少し大きくなったら、今縫った肩上げをほどけば元の肩上げが残るので楽ですよ♪
子供の浴衣を肩上げなしで着せてもいい?
去年よりずいぶん大きくなって、「肩上げを全部ほどいたらちょうどいいんだけどなぁ~」ということもありますよね。肩上げが「大きく作って長く着せる」ためだけのものなら、ちょうどいいサイズになったんだからほどいて着せればいいと思うのですが、子供の浴衣や着物の「上げ」には「子供の浴衣のサイズ直しのしかた☆丈が長い場合や袖の長さの合わせ方」でも書いたような意味があるので、あったほうがいいのです。
体格にもよりますが小学生くらいまでは、また来年も浴衣を着る予定なら、肩上げができなくなった時点で新しい浴衣を新調することをおすすめします☆
まとめ
子供用浴衣の袖の長さを直すときは「肩上げ」を縫って調節します。
肩あげの折り山の位置は「背中心と袖付け位置の間のちょうど真ん中」です。肩あげの折り山から、短くしたい長さの半分の幅で縫っていきましょう。基本同じ幅で縫っていくのですが、前身頃だけは縫い終わりの幅が1センチくらい狭くなるように、肩山からまっすぐ斜めに縫います。
縫い方は「二目落とし」ですが、目立たない色の糸を使って普通のなみ縫いでもOKですよ。
多少縫い目がガタガタしても、ちょっとくらい曲がってしまってもあまり目立たないので気軽に縫って大丈夫です。ただ、肩上げの位置や幅が左右で大きく違ったりすると目立ちますし着心地も良くないので、そこだけは気を付けるようにしましょう☆