夏になると、親子揃っての浴衣姿もよく見かけます。毎年恒例で、家族そろって浴衣を着て花火やお祭りに出かけるご家庭も多いのでは?子供はどんどん成長しますので、着るたびにサイズが合わなくなったりしますよね。そんな時の対処法です☆
子供の浴衣のサイズ直しのしかた
子供が去年着た浴衣をタンスから出して合わせてみると、丈や袖が短くなっていて「こんなに成長したんだね!」とびっくりしますよね☆でも、洋服と違ってすぐに買い替えなくっても大丈夫ですよ。
浴衣もそうですが、子供用の着物は成長に合わせて調節しながら長く着られるようになっているんです。昔は、成長の早い子供のために頻繁に新しい着物を作ってあげるのは困難でしたので、あらかじめ大きめサイズの着物を作って「あげ」をしながら着せるという工夫がされていたんですね。
洋服の場合は袖口をまくったり、途中の部分を内側につまんで縫い留めたり、すそを折ってまつり縫いしたりしますが、浴衣は袖やすそを折ってまつったりはしません。
ちょっと大きいサイズの浴衣をぴったりサイズに小さく直すのはもちろん、小さくなってしまった浴衣のサイズを大きく直すのも同じ方法です!
子供の浴衣の丈が長いとき
買ったばかりの浴衣やお下がりの浴衣は、丈が長いことが多いですよね。逆に、去年着た浴衣の丈が短くなってしまったということも。
浴衣は着物と違ってちょっと短めに着るものです。こどもは特に、短めの方が見た目にもかわいらしい上に歩きやすいので、ちょっとぐらいなら直さなくてもいいかもしれません。ただし「あまりにも短すぎる!」という場合には直してあげましょう☆
洋服だったら裾で調節しますが、浴衣や着物の場合は「腰あげ」で調節します。
大人の女性用浴衣や着物は、着付けるときに腰に「おはしょり」を作って、ちょうどいい丈に合わせますよね。子供の浴衣や着物の場合は「おはしょり」部分を糸で縫い留めてしまいます。これを「腰あげ」と言います。
大人の男性は「おはしょり」を作らずにぴったりの丈で着ますが、男の子は女の子と同じように必ず「腰あげ」を作ります。
腰あげの詳しい方法は「子供浴衣の裾直し!腰上げの簡単な縫い方☆腰上げなしで着せるのは?」をご覧ください。
「じゃあ、男の子の着物はぴったりサイズになったら腰上げをしなくってもいいの?」という疑問もわいてきますよね。
これに関しては、昔から「子供の着物に『あげ』が無いのは良くない」と言われています。「あげがある」=「まだ成長する」という意味ですので、「あげがない」=「もう成長しない」ということになってしまい、縁起が悪いとされてきたのですね。昔のこどもは特に、無事に大人になれないことも珍しくなかったので、「我が子が無事に成長するように」という親の願いを込めて縁起を担いでいるんですね。
いつまで「あげ」をして着るか、は皆さん迷うところでもありますが、今は「だいたい小学生まで」と思っておけば大丈夫だと思います。中学生にもなったら男の子も女の子も大人用の浴衣を着ますよね?私自身も、背が高かったこともありますが中学生からは大人用の着物を着ていました。小学生でも高学年で背の高い子ならわざわざ大きめの浴衣を作って、あげをしてまで着ることもないんじゃないかなと思います。
子供の浴衣の袖の長さの合わせ方
浴衣の袖の長さも「あげ」で調節します。子供の浴衣や着物は肩の部分をつまんで縫ってありますよね。これを「肩あげ」と言います。
肩あげは腰あげと違って左右両方ありますので、適当に直すと着たときに背中の中心がずれてしまいます。そうなると見た目も良くないですし、何よりお子さんの着心地が悪くなってしまいますので、そこだけ注意しながら直しましょう。
肩あげの詳しい方法は「子供用浴衣の袖の長さを直す!肩上げの縫い方☆肩上げなしでもいい?」をご覧ください。
浴衣の袖の長さを測るときは「首筋の中心から手首のくるぶしまで」が基本ですが、着丈と同じく「ちょっと短め」くらいでも大丈夫です。むしろ手首が隠れてしまうほど長いよりもずっとスッキリして見えますし、物を持ったり食べたりするときには、浴衣に慣れていないお子さんでも袖口が邪魔にならず動きやすいと思いますよ。
肩あげも腰上げと同じように「無事に成長する」という意味が込められていますので、小さなお子さんの浴衣には必ず縫います。息子が幼児のころ、私の弟が昔着ていた幼児用の着物をもらって毎年お正月に着せていたのですが、「そろそろ着れなくなりそう」という時、私の母が「ほんのちょっとでもいいから肩のところをつまんで縫っておきなさいね。」と念を押してきました。そのくらい大事なもののようです。
まとめ
子供の浴衣のサイズ直しは「腰あげ」と「肩あげ」で調節します。子供の浴衣は着物と違って、すそも袖もちょっと短めで着ても可愛いですし、お子さん本人も動きやすいと思います。あまりにも短すぎる場合には直してあげましょう。
「腰あげ・肩あげ」には昔から「こどもが無事に大きく成長する」という意味が込められているため、子供の浴衣や着物は「あげ」をしないで着せるのは縁起が悪いとされています。
今は、あげをするのは「だいたい小学生まで」というのが目安です。背の高い小学校高学年の子や中学生くらいになると、男の子も女の子も大人用の浴衣を着ることが多いです。