実印にするためのはんこを作りたいと思ったとき、高い買い物だし一生に何度も作るものじゃないし……分からないことが多いですよね。
この記事では、女性が実印用のはんこを作るときに多い「女性用と男性用って何か違いがあるの?」「実印ってフルネームで作るものなの?」「大きさはどのくらいが一般的なの?」といった疑問に、はんこ屋の娘として育った私がお答えします!
実印の作り方は女性と男性で違うの?
実印自体に「女性用」「男性用」というものはありません。作り方も、もちろん一緒です。
印材も、よく「女性におすすめ!」といってアメジストやローズクォーツなどの天然石のものを見かけますが、それも「女性が好きそう」というだけのことですので、性別に関係なく柘植の木でも象牙でもそれぞれ好みのものを選ぶといいですよ。
ちなみに天然石はとてもきれいで素敵ですが、落としたりどこかにぶつけたりしたときに印面が欠けやすいというデメリットがあるので、もし天然石の印材で作ったときにはその他の印材以上に取扱いに注意しましょう(その他の印材が落としたりぶつけたりしても大丈夫ということではありません)。
基本的に「男性用」「女性用」と決められているわけではありませんが、一般的に男性用の実印は決められたサイズの範囲の中で大きめ、女性用の実印は男性用より小さめで作ることが多いです。
でも決められているわけではないので、「私は女性だけど大きめのサイズで作りたい!」という場合は実印として認められるサイズの範囲内であればOKですよ。例えば、女性で会社を経営している方なら契約などの時に実印を押すことも多いと思いますが、大きいサイズの方が経営者の印として貫禄が出るかもしれませんね。
主婦の実印だって、「どうしても大きいのがいい!」というのであれば大きめサイズで作っても構わないとは思いますが、名前の文字数によってはバランスが悪いかもしれません。
実印は女性もフルネームで作るもの?
男性は実印を作るときにフルネームで作るのが一般的です。フルネームで作らないといけないわけではなく、苗字だけでも下の名前だけでも決まり上はOKです。でも実印は個人を特定して証明するための印(その人しか使えない印)なのでフルネームで作るのが一般的なのです。
ただし女性は結婚などによって苗字が変わるケースが男性より多いですよね。ですから女性が実印を作るときには苗字を入れず、名前だけで作るのが一般的なのです。
「私は結婚するつもりはないから」と言っても、いつ気が変わるかわかりませんよね。私の友人でも、そんな宣言をした翌年に結婚した人がいました。
「もう結婚してるから」という主婦の方も、もしかしたら今後旦那さんと別れることがあるかもしれませんし、そのあとに運命の出会いがあって再婚したりする可能性が全く無いとは言い切れませんよね。
実印は高いものですし、苗字が変わるたびに新しく彫り直すのはもったいないので、未婚でも既婚でも女性なら名前だけで作るのがおすすめです。
先ほど「名前の文字数によってはバランスが悪いかもしれません。」と書いたのは、フルネームが入るサイズの枠に名前だけしか入らないというのはバランスが悪いという意味です。
例えば女性経営者の方なら仕事で使うので大きめサイズにフルネームで作って登録し、もし苗字が変わったときにはそのつど作り直して登録し直したりすると思いますが(もちろん小さめサイズに名前だけでも全然おかしくないですが)、一般的に女性は名前だけしか彫らないので小さめサイズの方が仕上がりのバランスもいいですし、価格も抑えられるのでおすすめですよ。
それでも、どうしてもという時には職人さんのいるお店で相談して「もし大きめサイズに名前だけを彫ったらどんな感じになるのか」とか、プロの意見を聞いてみてから決めるのもいいかもしれませんね。
実印の大きさ女性におすすめのサイズは?
では、名前だけ彫る場合に女性におすすめのサイズはどのくらいの大きさかというと、一般的に多いのが直径13.5ミリや15ミリだそうです。
名前の文字数や画数によって仕上がりの雰囲気もだいぶ違ってくると思うので、これ以外のサイズでも、職人さんと相談しながら決めると納得のいく仕上がりの印になるのではないでしょうか。
また、書体によってもかなり印象が違います。実印の書体については「実印に彫る書体の選び方!なぜ印相体が人気なの?書体で運が変わる?」の記事もご覧になってください。
ちなみに冒頭の写真は私が生まれたときに父が彫ってくれた印で、実印に登録することもできるはんこです。今のところ実印は必要ないので印鑑登録はしておらず、銀行印として使っています。このはんこのサイズは直径10ミリ・長さ2.5センチという、とってもかわいらしいサイズなんです!
(銀行印については「実印と銀行印の違いとは?作る店と手彫り機械彫りおすすめはどっち?」も、よかったら参考になさってください。)
小さな印面に、割と画数の多い漢字二文字の名前が彫られていますが手彫りなので線が細めで繊細に作られていて、圧迫感はありません。材質は、縦に入った筋が美しいオランダ水牛の角です。幼いころから時々見せてもらっては「お嫁に行くときに持たせてあげるからね。」と言われて、ずっと楽しみにしていた私の宝物です!
小さいサイズでも直径8ミリよりも大きければ実印として印鑑登録できるので、「こんなサイズもあるよ」ということで参考にしていただけたらと思います。
まとめ
実印に「男性用」「女性用」という決まりはありません。でも、フルネームで作るのが一般的な男性に対し、女性は結婚などによって苗字が変わることも多いので未婚でも既婚でもフルネームではなく名前だけで作るのが一般的です。
名前だけを彫る場合の仕上がりのバランスという点からも、女性の実印のサイズは男性より小さめの13.5ミリや15ミリで作ることが多いそうです。
それより小さいサイズでも、実印としては8ミリよりも大きければ印鑑登録できるので、実際にお店に足を運んで職人さんに相談したり手に取って確かめたりしながら決めると、イメージ通りのはんこを作ることができるのではないでしょうか。
大切な実印を作るときの、一つの参考にしていただけたら幸いです!