夏になると、お祭りや花火大会や盆踊りなどお子さんに浴衣を着せてあげる機会が何度かありますよね。幼稚園の行事がきっかけで購入する方も多いと思いますが、子供の浴衣姿って本当にかわいらしいです!
初めてだったり久しぶりに着せてあげたりするときには、「どうやって着せるんだっけ?」と迷ってしまうと思います。子供がぐずらないよう、ササッと簡単で、着崩れしにくい浴衣の着付け方法です☆
子供の浴衣の着付けの簡単なやり方☆
子供の浴衣にも男の子用と女の子用があって袖の形が違うのですが、着付けのしかたは男の子も女の子も同じです。ササッと簡単に着付けるために、事前に準備をしておきましょう。
子供の浴衣を着付ける前の準備
大人の浴衣と違う点は、こどもの浴衣には「肩上げ」と「腰上げ」という、つまんで縫っている部分があって、ここで袖の長さや丈の長さを調節しています。肩上げは大人の浴衣にはありませんが、腰上げは大人の女性用浴衣の「おはしょり」にあたる部分ですね。男性用浴衣に「おはしょり」はありませんが、男の子用の浴衣には女の子用の浴衣と同じように腰上げもします。
子供に浴衣を着付けるには、まずこの「肩上げ」と「腰上げ」を調節してお子さんのサイズに合わせてあげる必要があります。
また、大人の浴衣と違って腰ひもは最初から浴衣に縫い付けてあると思いますが、もしついていなければ縫い付けておきましょう。手ぬぐいなどを利用して4センチ幅×80~85センチの長さのひもを2本作ってもいいのですが、面倒な時には大人用の腰ひもを1本購入して、両端から80~85センチ+縫い代1センチで2本切り、それを縫い付ければ簡単です。
縫い付ける場所は左右とも身八つ口の下端(脇の開き止まり)と同じ高さの衿部分です。
子供に浴衣を着せるのに必要な物
着付けに必要なのは「腰ひも付き、肩上げ・腰上げ済みの浴衣」「帯」「帯板」「普段の肌着」です。
子供用の帯板はティッシュの空き箱などを利用して、10センチ×25センチくらいの厚紙を用意し、角を適当に丸く切り落としたもので代用できます☆
下着は薄手のタンクトップか半袖Tシャツなどの肌着を着せます。暑そうだからといって素肌に着せるより、汗を吸ってくれるので着た方がずっと快適ですよ。
子供の浴衣の着付け方
さあ、いよいよ着付けましょう☆
1.薄手のタンクトップか半袖Tシャツを着せたお子さんの背後に浴衣を広げ、片腕ずつ袖を通してあげます。きっと身八つ口(脇のあいた部分)から手を出してしまうと思うので、焦らず「こっちだよ~」と促してあげてください。
2.背中の縫い目が真ん中になるように合わせたら、お子さんの右前身ごろの端を左に合わせ、左の身八つ口(左脇のあいた部分)に右衿のひもを内側から通します。左前身ごろをかぶせたら左右のひもを後ろにまわし、交差して前で結びます。
3.お子さんの右衿が下、左衿が上になっていますよね?左右間違えていないことを確認したら、襟元を整えて、背中部分のしわも左右にピッと伸ばしておくと着心地も見た目もグッと良くなりますよ!
次に、帯を結びましょう☆
子供の浴衣の着付けは兵児帯がおすすめ
子供の浴衣と言ったらやっぱりあの薄くてフワフワした兵児帯(へこおび)がおすすめです!男の子も女の子も、金魚みたいですっごくかわいいですよね☆そして何より、「結ぶのが簡単」というのはママにとってもうれしいです!
小学生くらいになると、女の子はお姉さんっぽい半幅帯にも興味を持ち始めるようですが、小さなお子さんには特に、締め付け感が無くて軽い兵児帯の方が動きやすくていいですよね。
ただ兵児帯は薄くて柔らかい分、お子さんの動きに合わせてだんだんお腹部分の幅が狭まって「ひも」っぽくなってしまうことがあります。それを防ぐためにもぜひ「帯板」を用意してくださいね。
さて、兵児帯の結び方ですが……
ネットや本などを見ると「半分の幅に折り、折り山を下にして、ひもの上に当て、右の手先が……」と、とっても複雑に書いてあります。そして、私のやり方とは違いました。ですので今回は私がやっている、母や祖母(日舞の先生)に教えてもらった超簡単な兵児帯の結び方をご紹介しますね☆
1.帯板を、兵児帯の中央より30センチくらいずらして(左右どちらでもOK)包みます。帯全体を同じように三つ折りにしておくと巻きやすいですよ。帯を半分に折って挟むより、帯板を真ん中に置いて上下で包み込むことで板がとび出して来るのを防げるので私は兵児帯の時はいつもこうしていますが、帯の幅が狭いようでしたら半分に折って折り目を下にして挟んでください。
2.兵児帯の中央を背中に当て、前で交差させて(この時、帯板の位置がお子さんのお腹にあっているか確認します)、背中で蝶結びをします。このままでもOKですが、片側が長い場合には結び目の下からくぐらせて上に出し、結び目を隠すようにかぶせると可愛いです♪
3・最後に、お腹で交差させた部分を整えます。帯板の入っている方が下になるように、入っていない方の帯を広げてかぶせるように整えたら完成!
子供の浴衣の着崩れを防ぐコツ
子供の浴衣は「おはしょり」ではなく「腰上げ」をしてありますし、腰ひもも衿端に縫い付けてありますので比較的着崩れはしにくいです。
それでも着崩れてしまうのは、お子さんにとって「着心地が悪い」というのが一番多い原因のようです。無意識に緩めようとして引っ張ったりした結果、着崩れてしまっているのですね。
「気崩れないように!」ときっちり合わせたり巻いたりするのは却って逆効果で、「楽に着ていられるように(でも緩くはない)」というバランスが重要です。おもなポイントは次の通りです。
・腰ひもは後ろに回して交差したときだけ多少キュッと引っ張り、前で結ぶときにはお腹を圧迫しないよう、胸の下あたりで結びます。ここではキュッと縛らないようにするといいですよ。
・帯は帯板を忘れずに入れましょう。「男の子には入れない」という方もいますが、動き回るうちに幅が狭くなってくると紐が見えてしまったり、緩みやすくなってクルクル回ってしまうこともあります。結び目が前に来ると本人もじゃまなので自分でほどいてしまったりする可能性もありますね。
・帯を巻いて最初に結ぶとき、腰ひもの下を通して一緒に結ぶようにすると万が一帯が緩んできても下がったり回ったりしにくいのでおすすめですよ。蝶結びをしたあと、腰ひもが見えないように整えましょう。
まとめ
子供の浴衣の着付けを簡単に、気崩れなくするポイントは「事前の準備」と「楽な着心地」です。
「事前の準備」とは言っても、腰ひもは大抵最初から付いていますし、帯板は板紙やいらない紙でも作れますので、普段の肌着とサイズが合う浴衣と兵児帯さえあればあとは着るだけです!
せっかくのかわいい浴衣姿ですから、ひと夏に何度も着せて色んな所にお出かけしてみてくださいね♪