男の子が生まれると、初節句を迎えるときに兜や五月人形を用意する家庭も多いですよね。でも最近は住宅事情やライフスタイルの関係で、特に用意しない・飾らないという家庭も増えているようです。
用意する家庭では男の子の祖父母や両親が選んで新しいものを購入するのが一般的ですが、その一方で父親などの兜や五月人形をお下がりでもらうことも意外と多いです。
そうなると気になるのが「兜や五月人形のお下がりっていいの?」ということ。聞いても調べても色々な意見が出てきて、どうしたらいいのか分からなくなりそうです。
大切な息子さんの初節句、モヤモヤした気分のまま迎えたくはないですよね!この記事を読んで、スッキリ晴れやかな気持ちで初節句をお祝いしましょう!
兜や五月人形はお下がりでもいい?
最近、雛人形や兜飾り・五月人形で「お下がり問題」が増えているようです。
「息子のために飾ってきた、思い入れのある兜や五月人形を孫にも使ってもらいたい」と思う祖父母や「自分の兜や五月人形を息子に受け継ぎたい」と思う父親の気持ちは理解できます。
中には、父親の兄弟や母親の兄弟(赤ちゃんのおじ)の兜や五月人形を「もったいないから飾ってほしい」と送られることもあるそうです。
結論から言うと「赤ちゃんの両親がお下がりの兜や五月人形がいいと思うなら、お下がりでもいい」ということです。
よく、「節句飾りは一人一つずつ持つもの。その子の身代わりになって厄や災難から守ってくれるものだから共用やお下がりはダメ!」という一般的な意見をよく見聞きしますが、「古くから先祖代々大切に受け継がれてきた鎧兜がある」という家庭もあります。
古くから受け継がれてきた大切な鎧兜は先祖代々たくさんの人の厄や災難を背負っているということになってしまうのでしょうか。歴史的価値のある鎧兜なら良くて、30年40年前の物はダメということでしょうか。
一番大事なのは、こどもの元気な成長を願い、祝う気持ちです。
お下がりの兜や五月人形でも「厄や災難を吸い込んでいるから縁起悪そうでイヤだな……」と思いながら渋々飾るのと、「パパが大人になるまで成長を見守ってきたんだから、縁起が良いよね!」と思いながら飾るのとでは大きく違います。
赤ちゃんの両親のどちらかでも「お下がりがいい!」と思わないのであれば、兜や五月人形のお下がりをもらうのはやめましょう。
五月人形の上手な断り方
兜や五月人形は赤ちゃんの「母方の実家から贈る」のか「父方の実家から贈る」のか「両方の実家が折半する」のか「両親が買う」のか、地方や家によって慣習が違うので今では「これが普通」というのはないようです。
両方の実家と赤ちゃんの両親で相談して、みんなが納得のいく方法で用意できたらいいのですがそれぞれに思いがあってモメてしまうこともあるようです。
先ほどのように「息子のために飾ってきた、思い入れのある兜や五月人形を孫にも使ってもらいたい」と思う赤ちゃんの父方の祖父母、それに対し「かわいい孫に、その子専用の立派な兜や五月人形を新しく買ってあげたい」と思う赤ちゃんの母方の祖父母、それに対し「息子のために毎年飾ってお祝いしたいから、コンパクトで飾りやすく気に入ったものを買いたい」という赤ちゃんの両親。
それぞれの意見に折り合いがつかない場合は、赤ちゃんの両親(特にママ)の意見を通すべきだと思います。赤ちゃんの両親が毎年の節句で飾りたいのに、「お下がりじゃなくて新しいのがよかったのに」とか「大きすぎて飾るスペースがない」とかいう状況になると、次の年から飾らなくなってしまうからです。そうなると結局、収納スペースを占領するだけでなにもいいことはありませんよね。
実は我が家の兜飾りも夫の実家から持ってきた夫の兜飾りなんです。当たり前のように「持って行って」と言われ、私の両親も「いいんじゃない?」と言うので息子の初節句は夫の兜飾りを飾ったのですが、はっきり言って、持ってくる前に断ればよかったと思って後悔しています。なんだか飾るたびにモヤモヤした気持ちになって、2~3回飾っただけでそのあとは出していないんです。狭いマンションで収納場所も少ないのに。
さらに息子の成長とともに家具なども増えて飾る場所自体がなくなってしまったので、季節のインテリアとしても長く使える、小さくてかわいい五月飾りを買って飾っています。
ですから、「お下がり」にしても「新しくて立派な兜や五月人形」にしても、いらない場合はハッキリと断るのがおすすめです。
とはいっても、せっかく孫のことを思ってくれている気持ちは踏みにじらないようにしたいですよね。気持ちはありがたく受け取る姿勢を見せると、向こうも納得してくれるかもしれません。そのうえで、
「飾るスペースも収納スペースも確保できないので」
「かわいくて素敵な節句飾りを見つけたので」
「その子専用の兜や五月人形がいいと聞いて、どうしても気になってしまうので」
などの理由を伝えて断ると良さそうです。
例えば、息子の兜を孫にも使ってほしい義両親には「うちにはスペースがないので、コンパクトなものを飾りたいと思っています。でも立派な兜も見せたいので、そちらの家に飾っていただけませんか?毎年子供と一緒に見に行きますから!」などと伝えれば喜んでそうしてくれるかもしれませんよ。
もし、とっても広い家に住んでいるとか夫の実家に同居しているとかで断り切れなかった場合は、夫のお下がりは「夫専用の五月飾り」と割り切って子供の分は新しく購入し、並べて飾りましょう。
兜や五月人形は必要?
お下がりとかコンパクトとかいう以前に、そもそも兜や五月人形はいらないという考えもあります。
「収納スペースや飾るスペースがない」、「転勤族で引っ越しが多く余分なものは持ちたくない」、「自分も持っていなかったので必要だと思わない」など理由はさまざまですが、赤ちゃんの両親が「必要ない」と思うのでしたら必要ないです。
兜や五月人形を持っていないからといって子供が元気に成長しないわけではないですし、「必要ない」と言って兜や五月人形を持たないからといって子供への愛情は変わらないです。
おじいちゃんおばあちゃんが「必要に決まってる!」「用意しなきゃダメ!」というなら、それは「孫がかわいそう!」「息子や嫁(娘や婿)の意見はともかく、孫のために用意してあげたい!」というおじいちゃんおばあちゃん自身の気持ちなので、先ほどのように断ってもいいと思います。もしどうしてもというのであれば「見に行くから」と言って実家に飾ってもらうようにしましょう。
もし、夫婦で意見が違って「夫は必要ないって言うけれど家にも飾ってあげたい」と思う場合は、手のひらサイズのかわいい五月飾りを飾ってあげるといいと思いますよ。お値段も手ごろなら文句はないはずですよね!
まとめ
男の子の初節句に用意する兜や五月人形。「お下がり」にするか「新品」にするか、「必要」か「必要ない」かは赤ちゃんの両親の考え次第です。
両親に負けないくらいおじいちゃんおばあちゃんたちにも「思い」がありますが、なによりも一番大事なのは、赤ちゃんがこれから先も元気にすくすく育って立派に成長することをみんなで願い見守っていくという気持ちですよね。
おじいちゃんおばあちゃんの意見に押されてモヤモヤした気持ちのまま兜や五月人形を飾っても意味がないので、なんとか丸く収まるように説得して、みんなで楽しく初節句をお祝いできるといいですね!